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  • 事例紹介:自動車用ドライブシャフトのモーダル試験

    2025.11.01

自動車の駆動部品であるドライブシャフトを対象に、振動特性を調べる試験(モーダル試験)を実施

本事例では、乗用車用ドライブシャフトを対象に、ECON TECHNOLOGIES のインパクトハンマー試験および MIMO FRF モジュール を用いたモーダル解析を実施しました。
自由端支持条件(free-free)および固定端支持条件(constrained-end)という 2つの境界条件下での励振法(Exciter method)を適用し、ドライブシャフトの簡易モデル化、センサー(励振器)配置、結果解析を通じて、1次モードの固有振動数・減衰率・モード形状を求めました。

この試験は、部品がどのように振動するのかを確認し、安全性や耐久性の評価に役立てるものです。

  • 自由端支持条件(free-free)

  • 固定端支持条件(constrained-end)

■ 試験の内容

対象部品:自動車用ドライブシャフト
方法:部品に人工的に振動を加え、専用センサーで揺れ方を測定。
試験方法:励振器法(Exciter method)を用い、境界条件を変化させてモーダル特性を測定
自由端支持条件(Free-Free)
固定端支持条件(Constrained-End)

取得した周波数応答関数(FRF)に基づき、一次モードにおける固有振動数とモードパラメータを算出しました。

■ 使用機器

試験には以下のECON製計測・解析機器を使用しました。

No. 機器 型番
1 試験計測システム(データ収集アナライザ) ECON MI-7208
2 振動励振器 ECON VE-5110M
3 力センサー(フォースセンサー) CL-YD-331
4 チャージアンプ(電力増幅器) ECON MI-2004A
5 単軸加速度計 EV1100 / PCB
6 三軸加速度計 EV4540

これらの機器により、高精度な信号取得と安定した励振が可能となり、再現性の高いモード特性評価を実現します。

■ 試験結果

自由端支持条件:一次固有振動数 ≈ 321 Hz
固定端支持条件:一次固有振動数 ≈ 242 Hz
  • 自由端支持条件:一次固有振動数 ≈ 321 Hz

  • 固定端支持条件:一次固有振動数 ≈ 242 Hz

比較の結果、自由端支持条件では固定端支持条件に比べ、固有振動数が約 32.7% 高い ことが確認されました。これは、境界条件の差異が構造物の動的特性に大きな影響を与えることを示しています。

本試験により、ドライブシャフトの支持条件がモーダル特性に及ぼす影響を定量的に確認できました。この知見は、自動車の振動・騒音低減設計、ならびに信頼性・耐久性向上を目的とした設計開発に有効に活用できます。

ECON TECHNOLOGIESは今後も、豊富な試験装置と解析技術を活用し、自動車をはじめとする幅広い産業分野に向けて、高精度な振動解析ソリューションを提供してまいります。

*詳細はお気軽にお問い合わせください。

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